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「健体康心」という言葉を知っていますか?
「健康とは(すこやかな体)と康心(やすらかな心)のことである。
体を健やかに保つこと。そしてそれ以上に大切なのが、心を康らかに保つことだ。
体が丈夫でも心が康らかでなかったら、健康とはいえない。
いや、たとえ体が病弱でも心が康らかなら、生命は健やかである。」
日本人が通常使用している健康という言葉がありますが、
なんと中国では、健康のことを健体康心(けんたいこうしん)
と言うそうです。
気功の調心でも病気の治療、予防は心の状態が大切であることを教えています。
健康を日本の一般的な辞書で調べると最初にはからだに悪いところがなく丈夫なこと。
その後に精神的に良好であることとなっています。
言葉の発祥地である中国から日本人は心と体を引き離してとらえてしまっているのかもしれません。
これでは、心と体の関係性をあまり真剣に考えてない感じがあり、とても残念な気持ちになります。
「何となく、心の影響から病気になることは分かる気がする」
と皆さんも思っていても、やはり「健康」の概念が「体が丈夫なこと」では、
症状にばかり気を取られてしまい、本質的な病気の原因や真の健康に気付きにくい傾向になってしまいます。
こんなお話は知っていますか?
ドイツの哲学者カントの有名なお話をご紹介します。
17歳のカントも生まれつきのくる病で背中にコブがあり、余命2年。
喘息で、いつも苦しげに喘いでいました。
ある時、カントの父が少しでも苦しみを和らげたらと巡回医師にみせた。
カントを見て医師が言った。
「体を見ると確かにとても気の毒だ。
しかし、コブが原因で息が苦しいなら別だが、心はどうでもないだろう。
いいかい。
形のない心に勝手に自分で形を作って悩む人が多いんだ。
悩むのは心だよ!その証拠に寝ている時は、悩みも悲しみも貧乏もないじゃないか。
苦しい、辛いと言えば、お父さんもお母さんもやはり苦しくて辛い。
言っても治るものではない。
言うならその口で、心が丈夫なことを感謝に考えればいい。
体はともかく、丈夫な心のおかげで君は死なずに生きているじゃないか。
それを喜びと感謝に置き換えて心を明るく朗らかにすることだ。
それで運命が拓かれるようにできている。
君には難しい言葉だが、それが自然治癒力というのだ。
体が気の毒なことで心が苦しいわけではない。
それが分からなければ、君は不幸だ。
人はひとりひとり使命を持って生まれてくる。
人それぞれに必要なものを持って生まれてくる。
君の体も君に必要だから与えたのかもしれない。
薬は必要ない、お帰り。」
カントはこの言葉で深く考え、胸を熱くし、涙を流し、今まで喜んだことも、感謝したこともないことに気付かされた。
心の中でお父さん、お母さんに詫び、その後、苦しい顔や言葉を吐かなくなった。
そして、カントは異常な体であることが自分なのか、丈夫な心でいるのが自分なのか、本当の自分は何だろうと考えてみた。
1年後、喘息が治り、2年が過ぎてもくる病は治らなかったが、体は丈夫になった。
「確かに、心を明るくしていると運命は拓かれると医者が言った。心とは何だろう?」
その後哲学者となり世の中のために活動となった。
余命2年と言われていた命が、事実80歳の天寿を全うしたそうです。
とても、良い話ですね。
この哲学者カントの話を知って、自然治癒力の促進には「心と体の関係性」が重要であることを再認識できました。
臨床での出会いを大切にして、「健体康心」という意味を一人でも多くの方々にお伝えしていきたいと想います。
快復の森カイロプラクティック 吉祥寺
中尾正勝